藤原:そう。『FINAL FANTASY VII アドベントチルドレン』という映像作品(2005年9月リリース)の試写会に誘っていただいたんですよね。ホントに光栄なことに。その試写会は六本木ヒルズで行われたんですが、すごく華やかな席で。僕らは隅っこのほうで萎縮しながら試写会が始まるのを待っていて(笑)。作品にも感動したし、後日、まさか野村さんとお食事させていただけるとは、という感じでした。食事の席での僕らは、ただただ“『FINAL FANTASY』シリーズが大好きです”ということを伝えまして(笑)。
藤原:まず、ミーティングのときに見せていただいたイラストのイメージがとても大きかったと思います。それは『零式』のキャラクターが一同に介しているものなんですけど。あとはもう、作曲用に録ってもらったスタジオのブースに入って、イラストのイメージと自分がミュージシャンとして、BUMP OF CHICKENとして表現したいことを曲にしていくといういつもと同じ流れでしたね。
──「ゼロ」は、生命と生命の交わりとその終わりを深遠な筆致で焼きつける、魂の歌だと思いました。サウンドは全体的に荘厳かつシリアスなムードをたたえているけれど、音、メロディ、言葉の連なりが皮膚感覚に近いものとして迫ってくるような感動があって。『零式』の世界観の核心を想起させながら、その実やはりBUMP OF CHICKEN然とした歌になっている。